プラモデルのチラシ
第12回 株式会社バンダイ 発行 『機甲戦記ドラグナー カタログ』
前回は、『重戦機エルガイム』のカタログを紹介したので、『機甲戦記ドラグナー』近場に見参!となりました。 <作品の紹介>
本作品は、1987年2月7日 ~ 翌年1月30日まで放送され全48話が放送されました。
富野由悠季氏が総監督を務めた『戦闘メカ ザブングル』から始まったリアルロボットアニメは、『機動戦士ガンダムΖΖ』までの約5年間で幕を下ろしました。
その後を継いだのは『銀河漂流バイファム』の神田武幸監督による、『機甲戦記ドラグナー』でした。
ガンダムのリニューアルが目標だったとの事で、随所で『機動戦士ガンダム』が見え隠れします。
・連合国に独立戦争を挑む図式
・民間人が、最新鋭の試作機に乗り込んで戦いに巻き込まれる
・敵の士官(ライバル)の妹が味方にいる
・舞台も、宇宙⇒地球⇒宇宙と変わる
など、アウトラインは正にガンダムです。
しかし、マネだけではありません。
時代も進んでリアルさを一歩・二歩と推し進めた箇所と、オリジナリティも加わりました。
①試作機が、白兵戦型・後方支援型・電子戦型に変わった
ミサイルのジャミング、コンピュータをハッキングなど、今までに無い運用方法が斬新でした。
②地上では、空母に搭載されて移動
当時公開された映画「トップガン」の影響もあったのでしょう。
格納などのサイズ的な問題はありますが、宇宙戦艦が大気圏を突入して未知の粒子によって浮力を得るより、断然リアルです。
更に、発進時の戦闘機用カタパルト(改造品?)から射出されるシーンは、カッコ良かったです。
③銃器は、メインとして実体弾を使用
・携帯ビーム兵器より現実的な、レールガンを主兵装としている
パワーアップも口径より速射製を上げている
・コーキング弾と言う、瞬間的に硬化して関節などを物質的に作動不能にする
④試作機より量産機の性能が上と言った、当たり前の事が始めて?行なわれました。
模擬戦でドラグーン(量産機)1機にボロ負けする3機のドラグナー。
そして、ムーバーフレームを大改造して生まれ変わった、カスタム機が!!
張グナーを意識した様な形状に見えてしまう・・・
量産機の工場は、中国の重慶でした・・・世界情勢がこんな事になるのを見越していたのか?
かなり面白い設定だったと思います。
しかし、時代もリアルロボットブームの末期。
人気も出ずに、規定?の4クール(全48話)を放送して終了しました。 <プラモデルの迷走>
プラモの方は、色々と迷走した感じがあったシリーズでした。
初期は、BB弾を発射する事が出来るオリジナル武器が付属していました。
1/100ガンダムの、バネで飛び出すオリジナル武器以来の快挙?ではないでしょうか?
子供は喜ぶでしょうが、購買層を考えれば不用ですね。
結局「NO.1~4」までの製品に付属していただけでした。
その後、リフターと呼ばれる飛行用オプションユニットを取り付けられると、多色成形機によるキットも発売されました。
D-1の脚のある赤と青のストライプを一体成形で行なうと言うものでした。
価格は、通常版と比較すると(500円⇒700円)の200円のUPになりました。
塗装する人たちには、無用の仕様でした。
そして、ムーバーフレームを再現した、1/100スケール D-1カスタムが発売されましたが・・・
・ムーバーフレームが最初から組立ててある。
・ムーバーフレームはビスで止められている。
しかし、腕と脚は左右が同じ金型で作られているので、同じ向きにビスが付いている。
・ムーバーフレームの可動範囲がかなり狭い
・外装においては、エッジがだるい・分割も雑・バランス悪いと、散々な出来でした。
ムーバーフレームを流用して、D-2、D-3さえ発売されませんでした。
ただし、プラモデルを手軽にする為の処置を、色々と講じていました。
・ポリキャップ使用による後ハメが可能な構造
・シールを付属させて、塗装しなくても劇中イメージに近くなる仕様
プラモ離れを防ぐ為に行なったと思われますが、ここでは実を結ぶことなく終わります。
この仕様は、以降のガンダム(ポケ戦・0083・Vガンダム・・・)へと引き継がれて『MGガンダム・ザク』で開花する事になります。 <カタログ紹介>
今回紹介するカタログは、当時の販促用キャンペーンとして、キットに入っていました。 タカラの『機甲界ガリアン』でも同じ様な事を行っていましたが、バンダイは酷い!!
タカラは、購入個数で商品内容がかわりましたが、バンダイは違いました。
縦・横のラインを揃える必要がある為に、購入機種が限定されるのです。
自分の欲しい物を買っていたら、揃わないかもしれない、酷い仕様です・・・ ラインアップは全20種類でした。
NO.01 1/144 500円 ドラグナー1型 (BB弾武器付)
NO.02 1/144 500円 ドラグナー2型 (BB弾武器付)
NO.03 1/144 500円 ドラグナー3型 (BB弾武器付)
NO.04 1/144 500円 ダイン (BB弾武器付)
NO.05 1/144 500円 ゲルフ (3機種コンパチキット)
NO.06 1/144 400円 ファルゲン
NO.07 1/144 400円 ドラウ
NO.08 1/144 400円 ゲバイ
NO.09 1/144 500円 ガン・ドーラ
NO.10 1/144 500円 ドラグナー3型リフター装備
NO.11 1/144 500円 ドラグナー2型リフター装備
NO.12 1/144 500円 シュワルグ
NO.13 1/144 500円 ダウツェン
NO.14 1/144 700円 ドラグナー1型リフター装備(システムインジェクション21仕様)
NO.15 1/144 300円 武器セット
NO.16 1/100 2000円 ドラグナー1型カスタム
NO.17 1/144 500円 ドラグナー1型リフター装備
NO.18 1/144 500円 ドラグーン
NO.19 1/144 600円 ドラグナー1型カスタム
NO.20 1/144 600円 ドラグナー2型カスタム
価格は、発売当時の定価です。 発売されなかったMA(メタルアーマー)としては、
・水上戦用MA:ゲルドーラ
・水陸両用MA:ズワイ
・グンジェム専用機:ゲイザム
・ギガノス軍の巨大MA:ギルガザムネ
上記4体でしたが、当時ギルガザムネ以外は『B-CLUB』からガレージキット(GK)として発売されました。
ギガノス軍側の飛行ユニットに関しては、追加パーツを加えて販売する事はしない代わりに、GKで発売されました。
ギルガザムネは、全高28m(1/144:195mm)の為か販売は行なわれていなかった様です。
後から、他のメーカから発売された様な・・・
機体の種類が少ない番組でしたが、ブーム末期にも関わらず、これだけの種類が発売された事は奇跡ですね。
Zガンダム以来(ガンダム以外では初?)の武器セットまでありました。
今では大した事ではありませんが、1/144の指が可動するハンドパーツが付属していました。
出来れば、ゲイザムもキット化してくれたら嬉しかったのですが・・・
機甲戦記ドラグナーで、サンライズ製作の80年代リアルロボットシリーズは幕を閉じます。 <ひとり言>
皆さんは、「機甲戦記ドラグナー」って好きですか?
個人的には、80年代リアルロボットアニメ・ベスト5に入るくらい好きなんですよ。
終盤は主人公が変わった感じで、ちょっと嫌なんですが、総合評価は高めです。
この作品では、試作機や新型量産機が次々と登場する様な展開はありません。
普通に考えれば、開発から製作までは数年を要するはずなので、当たり前の展開です。
主人公達が乗るドラグナーより後に開発された新型が、ほとんど出てきません。
・D兵器の量産機として登場した「ドラグーン」
・最初は試作機として登場した「ギルガザムネ」
の2機種だけだと思います。
それでは、新型vs旧型の戦闘なんてつまらないではないか!!
と、思われるかも知れませんが、そうでもないのです。
ガンダムのMSVで展開していた様な、エースパイロット用のカスタム機が多数登場するのです。 ・ギガノスの蒼き鷹が率いるエリート集団の親衛隊
ギガノスの青き鷹ことマイヨ・プラートは専用機の「ファルゲン(マッフ)」を使用。
親衛隊は、ゲルフ(マッフ)・ヤクトゲルフ(マッフ)「支援型」・レビゲルフ(マッフ)「電子戦型」を使用。
(マッフは飛行ユニットの呼称) ・金次第でなんでも行なう野蛮なグンジェム隊
隊長のグン・ジェムは専用機の「ゲイザム」を使用。
四天王専用は「スターク・ゲバイ」「スターク・ガンドーラ」「スターク・ダイツェン」「スターク・ダイン」を使用。
一般機と比較して、機体塗装色・兵装・仕様が異なる。 ・
任務遂行の為なら非道になる生粋の軍人集団ゲルポック隊
ゲルフマッフ・ヤクトゲルフマッフの兵装ボックス付・レビゲルフマッフを使用。
ただし、親衛隊機とは塗装色が異なる。 一癖も二癖もある歴戦のパイロットたちがカスタム機を操って、最新鋭機であるドラグナーに戦いを挑む図式。
今までに無いタイプだと思います。 でも、人気が無いんですよね~
しかし、超合金魂SPECでは、TV版D-1・OP版D-1・OP版D-2・OP版D-3・OP版ファルゲンが発売されています。
更には、OP風ドラグーンとD-1カスタムも発売されます。
超合金魂SPECのレイズナーなんて、人気無かったね~
そう言えば、レイズナーと違って打ち切りにもならなかったし、プラモの商品数もドラグナーの方が多かった。
プラモが再販されても、直ぐに売れてしまうドラグナーは、中古ショップでも高めですが、レイズナーは何時でも叩き売り状態です。
以上の事を踏まえると・・・機甲戦記ドラグナー>蒼き流星SPTレイズナーと言う関係式が成り立ちますね。
なんだか、MAが作りたくなってきた~~
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テーマ:模型・プラモデル - ジャンル:趣味・実用
- 2011/09/30(金) 13:43:13|
- プラモ ミニカタログ
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
現用?空母からの発艦シーンは格好よかったですね。
有りそうで無かった感じですよね。
(山瀬のマミちゃんの歌がバックにのOPでも有名ですね。)
因みに僕は、レイズナーもドラグナー好きでしたよ。
でも、みんなが好きなのはTV版のスマートな機体や、独特のパースがついた大張版の奴。
僕の好きだったのは、
野暮ったい設定版。
特にレイズナーなんか仲間内では、鉢被りガンダムとか、リアルタイプドラえもんガンダムとか、呼んでました。
とか言ってると、僕も造りたくなってきましたね。
名前忘れたけど、バイクみたいな奴(笑)
ではまた
- 2011/10/01(土) 11:20:09 |
- URL |
- woody01 #-
- [ 編集 ]
特に月面基地での、スカルガンナーが大好物です
でも3クール目から、スーパーロボ系のノリになったのは・・・
でも、高橋監督の80年代の作品は全て好きです。
ボトムズ以外は、評価が低いのがちょっと理解出来ないのですが・・・
後期OPに山瀬マミの起用にはびっくりでしたね。
あの頃は、純粋なアイドルでしたよね?
>野暮ったい設定版
これが基本なんですよね。
アニメア-ル作画のレイズナーの様に頭身を上げたら、全高が変わってしまうし・・・
張グナーの様にディティールを増やしたら、作画が大変!!プラモを作るのも面倒
両者共に嫌いでは無いですが、レイズナーに関して言えば、頭が大きい方がしっくりきます。
いや~それにしても嬉しい!!
レイズナー好きは結構いるのですが、ドラグナーも好きとは・・・
リアルタイプドラえもんGは
>名前忘れたけど、バイクみたいな奴
ギガノス軍のびっくりドッキリメカの、ガンドーラですね。
なぜか、再販してもガンドーラとドラグーンは即完売するんですよね。
自分は、重量感のあるゲバイが好きです。
作るときは、グンジェム隊のゴル大尉仕様で作りたい!!
- 2011/10/01(土) 12:40:20 |
- URL |
- イリコ・キューピー #-
- [ 編集 ]
>ギルガザムネは、全高28m(1/144:195mm)の為か販売は行なわれていなかった様です。
> 後から、他のメーカから発売された様な・・・
高橋留美子先生のフィギュアGKを多数販売していた、「ムサシヤ」から発売していたはずですよ。
当時でも珍しいフル可動仕様だったような・・・・
- 2012/07/07(土) 23:34:36 |
- URL |
- メロウリンク #-
- [ 編集 ]
ギルガザムネ・・・言われてみれば「ムサシヤ」でしたね。
メロウさん詳しいですね。
それにしても、懐かしい店名ですね~~
通販限定で発売される予定の、ギルガザムネに期待しているのですが、追加情報がありませんね。
- 2012/07/08(日) 00:12:45 |
- URL |
- イリコ・キューピー #-
- [ 編集 ]